以前の記事で、BoldVoice Accent Oracleの仕様について考察しましたが、最近これが更新されてだいぶ仕様が変わったので、それについて述べたいと思います。
以前の仕様については、リンク先の記事をご覧ください。
Accent Oracleについては今まで細かい仕様変更が行われていましたが、大幅な仕様変更が9月に行われ、その結果、English判定がAmerican English, British English, Australian Englishに分かれました。また、South Africanなど今までになかった判定も追加されています。
最初の仕様変更が9月13日以前に行われ、この仕様変更の直後はAmerican EnglishやBritish Englishなどのネイティブ判定が非常に出やすかったと思います。以前ならJapanese判定になっていたような読み方でも、以下のように高い割合でAmericanやBritishが出ていました(私の発音はイギリスよりなので、アメリカ英語のアクセントを再現するのは得意ではありません)。


その後9月20日ごろにパラメータが調整され、AmericanやBritishなどのネイティブ判定を出すのが格段に難しくなりました。実際、8月以前であればEnglish90%などの判定が出ていた読み方であっても、Swedish17%などヨーロッパ系の言語が低い割合で出たり、Japanese判定になったりしています。
特にBritish判定を出すのは難しく、合成音声でもネイティブ判定が出ないことがあります(Americanはほぼ確実にネイティブ判定になります)。実際、私は以前の仕様では高い割合でEnglish判定を出すことができていましたが、今回の仕様では今までよりもかなりイギリス訛りを強調して読んだ結果、British 34%という結果でした。

おそらく判定がより正確になったということだと思いますので、新たな仕様でも安定してネイティブ判定が出せるよう研究したいと思います。
あと、非ネイティブ判定の場合「American Accent Strength」という指標が表示されるのですが、これが何度試しても89%を超えることがありません。説明によると90%以上は「Native or Near-native」とあるので、非ネイティブ判定の場合この指標は89%が最高、もしくは90%を出す基準が相当厳しくなったのでしょうか?(以前の仕様ではこの値が90%以上にすることは容易でした。)ちなみにネイティブ判定の場合、この指標は表示されません。

(2025年10月31日更新)
久しぶりに試したところ、British EnglishやAustralian Englishの判定が出やすくなったように思えます。9月にやったときはBritishを30%出すのも難しかったですが、現在は数回試しただけでBritish 80%が出ました。9月時点から、イギリス英語やオーストラリア英語のデータが学習され、パラメータが調整されたのかもしれません。
