はじめに
6/12に好日山荘主催の「登山基礎講座(リスクマネジメント)」に参加しました。座学でしたが、これから登山を控える自身にとっては非常に有益な講座でしたので、ここに感想を記したいと思います。
まず、登山講座を受講しようと思った経緯ですが、私は趣味でお遍路をやっていて今年は道中で難所といわれる山場を歩くことから、山歩きの基本やリスクをしっかり理解しておきたいと思い、登山や山について学べる場を探していました。
一人で街道歩きをしているので、今後のことを考えると今しっかりと基礎を学んでおきたいと思ったのも受講のきっかけです。
参加者と講師について
さて話を講座に戻すと、参加者は10名くらいで男女比は半々、年齢層は20代から60, 70代と幅広かったです。私の予想では年配の方々ばかりだろうと思っていたのですが、若い女性もいて予想が外れました。
講師はとても快活で元気な男性(田中さん)でした。好日山荘の店舗のレジで受講の対応をしてくださったのがその方だったので、初参加でもあまり緊張しませんでした。また、山について豊富な知識を持っている人が店員をしているのだと知ることができました。
講座の内容
今回の講座は1時間30分の座学で、かつ真面目な内容なので、講師曰く「とってもつまらない」らしいのですが、そんなことなかったです。講師の田中さんのおかげでとても楽しく受講できました。受講生みんなで笑ったり考えたりして、終始和やかな雰囲気でした。
リスクマネジメントということで、登山におけるリスクをいかに下げていくかというのが内容でした。警察庁などが出しているデータを用いて説明していて、1年間に山で遭難する人、そして亡くなってしまう人が思った以上に多いことに驚いたとともに、身につまされる思いでした。
遭難で最も多い理由が道迷いであるということ、神奈川県と東京都がワースト上位に入っているという情報は衝撃的でしたので、よく覚えています。神奈川に東京というと、私にとっては近場で気軽に行ける範囲ですので、多くの登山事故は近場で起きるのだということを理解しました(神奈川、東京は人口が多い=登山人口も多い、という理由も当然あると思います)。
お遍路のために都内の低山で体力作りを…などと最近考えていましたし、学生時代に何度か登ったことがある場所でもあったので、これを機に気をしっかり引き締めなければいけないと思いました。
そして、講師の「登山で最も怖い生物は何か」という質問に対して、私は迷わず熊だと思いましたが、正解は蜂なのだそうです。
街道歩きも今後は峠を越えたり山の中を歩いたりするので、最近熊の目撃情報や被害情報が増えているなか、一人歩きの自分にとっては熊の存在は一大事でしたが…、これもまた予想を外しました。講師曰く、人=食べ物と学習した一部の熊(そしてヒグマ)を除き、ほとんどの熊は何もしなければ向こうから遠ざかるし、万が一攻撃されても死ぬことはないのだそうです。イノシシも同様で、講師の足元の近くまでイノシシが来たそうですが、人に一切興味を見せずに遠ざかっていったのだとか。
一方、スズメバチの方が圧倒的に致死率が高いので、対処道具を備えておいたほうがいいそうです。田中さんはいつも、アーミーナイフとコンパス、そしてポイズンリムーバーの3点セットを紐で繋げてリュックからすぐ取り出せるようにしているそうで、たいへん勉強になりました。
最後に、短い時間でしたがゲームをしました。山の写真を見て、どんなハザード(危険性)があるか一人ずつ挙げていき、それに対してどのように回避するか一人ずつ答えていくというものです。皆で一緒に取り組むことで、自分だけだと発見できなかったハザード、そして回避方法を知ることができ、とても有益でした。私のように初参加の人にとって答えやすいように講師がヒントを出してくれたのも良かったです。
おわりに
講習を受ける動機として、登山についてしっかり勉強したいという思いがあったのでまずは座学を受講してみましたが、充実した内容でたいへん勉強になりました。座学の講義というと、実技とセットなっていたり(その分、参加費も高くなります)、満員御礼状態でなかなか予約がとれなかったりするので、今回座学単体で、しかも仕事終わりの時間に開講してくれて本当にありがたかったです。
次回は登山初心者向けの実技講習を受けてみたいですが、季節が夏ということもありなかなか講習が見つからないのが実情です…
今回の講習で、一人登山が危険であることを学びましたので、気軽に練習しに山に行くこともできず、どうしたものかな~と思っております。
好日山荘で夏季に初心者向けの実技講習が開催されないか密かに期待しています。